猫を家族に迎えよう・飼おうと考えたとき雑種猫をまず検討してみてはいかがでしょうか。雑種猫と聞くと野良猫のイメージを持つ方も多いようですが、日本で飼育されている猫で最も多いのは雑種です。人気のスコティッシュフォールドや昔から根強いファンがいるアメリカンショートヘアーやシャム猫、ロシアンブルーなどではないのです。
この記事では、雑種ねこの飼いやすさや魅力、黒猫、三毛、茶トラ、サバ、サビなど毛色による違いに関してまとめ解説しています。
目次
そもそも雑種猫とはどういう猫をいうのでしょうか。と聞かれて即答できる方は、なかなかの猫博士です。
雑種猫とは、単独種ではなく様々な種類が混じっている猫をさし、2種類以上の品種がはいっていることで雑種とされます。近年では雑種=野良猫のイメージ払しょくのため、ミックス、交配種(交雑種)などと呼ばれます。日本や外国においても、自然交配の中で生まれている猫はそのほとんどが雑種猫です。
ですから、雑種猫と純血種猫の違いは、品種が単一かそうでないかの違いです。
特定の限られた自然環境下で純血が保たれることはありますが、純血種のほとんどが、人間が特定の猫の容姿・特長を気に入りを意図的に交配を繰り返し、数世代定着させ各国の猫の血統の協会がみとめたものです。
現在ではこうした純血種同士を交配させたハーフ猫、ハイブリット猫として人気がありますが、言い方の違いだけで雑種であることは変わりません。元々純血種と呼ばれる猫たちも、土着の猫あるいは雑種で、スコティッシュフォールドやアメリカンカール、スフィンクス、シンガプーラなどのように特定の環境下で突如生まれた種を少しづつ増やし定着させるケースは多くあります。
日本国内で飼育されている猫の数は、9,778千頭と言われ、その中でも雑種(ミックス)の猫が日本で飼育されている猫全体の81.2%となっており、日本で最も多く飼育されている猫種となっています。(令和元年度の日本ペットフード協会の調べ)
飼育頭数が最も多い雑種(MIX)猫は、純血種と比べ飼いやすい猫種と知られており、飼いやすい理由は①~③です。
猫の飼育のきっかけの多くは、知人や保護団体からの譲渡・周辺地域での保護です。そこにいる猫たちのほとんどが雑種猫です。
それに対して、純血種の猫との主な出会いの場であるペットショップでは、猫よりも圧倒的に犬が多く販売されており、出会いの場は限られてい待ってしまっているのです。
そのため、純血種の猫と比べ、雑種猫は出会いが多く、飼いやすいといえます。
雑種(ミックス)の猫には、純血種のように発生しやすい先天性疾患はなく、母子感染による重い感染症さえなければ、一生を通して医療費負担が少なく、飼いやすいと言えます。
完全室内飼であれば猫全体の平均寿命15歳以上生きることは普通で20年以上生きる雑種猫も珍しくありません。
雑種猫は、爪切りやブラッシングなどの一般的なケアは必要ですが、短毛種が多いため、特別なトリミングは必要とせず、長毛・純血種のようにトリミング費用はかかりません。
日常のケアに特別な時間や費用がかからないため飼いやすいと言えます。
このように飼いやすいとされる雑種(ミックス)猫ですが、実は毛色によって性格に違いがあると言われています。
雑種(ミックス)猫は、雑種とひとくくりにされてしまいがちですが、土着の日本猫や純血種とのミックスも雑種に含まれ、毛色も含めるとバリエーションは多くあります。
こうした、毛色の違いにより性格が違うともいわれ、その点については理解しておくとよいでしょう。
前述した通り雑種(ミックス)猫の毛色は様々な種類があります。
ここでは、一般的に有名な毛色とと性格・特徴を紹介します。性格に関しては、個体差があるため、一般的な傾向としてお考えください。
ポピュラーな毛色で、日本ではマンガ(ホワッツ マイケル?)や映画(子猫物語)などの主人公にもなっています。
性格は明るく人によくなつき、特に飼いやすいと言われています。遺伝的に、オスが多くメスが少ない毛色です。
黒猫は不幸を呼ぶとか、魔女の使いなど世界であらぬ迷信がある毛色です。不吉な言い伝えと違い、非常に飼い主思いで甘えるのがうまくフレンドリーです。
飼い主のことをよく観察し、空気を読む猫といわれています。
オス・メスともに生まれる毛色です。
黒猫とは対照的に、昔から人間に大切にされてきた毛色の猫です。とくに真っ白な毛色の猫は数が少なく希少な猫として大切に飼育されていました。
ただし黒猫と比べ、家族以外にはあまりなつかない傾向があるようです。
毛色を作る遺伝子に「性別を決める」性染色体が関わっているため遺伝的にメスが圧倒的に多く、クラインフェルター症候群という突然変異でしかオスは生まれません。
確率は三万分の一といわれ、さらに生まれてきても繁殖能力がないと考えられていて、仮にあったとしても、性別が受け継がれる確率は9億分の1となり、その希少性から数千万で取引されることがあります。
性格的には、プライドが高く、好き嫌いがはっきりしている、いわゆるツンデレタイプです。
アメリカン・ショートヘアーに柄は似ていますが、細かなラインが無数に入り蓬(よもぎ)、灰毛、藤猫などと呼ばれることもあります。
基本的には警戒心が強く、用心深い、猫に対しては本能の強い野性味のある猫が多いようです。一方で、人に対しては、友好的で無防備な性格です。
覆面をかぶっているように、めのまわりをグルッと黒で覆われた柄が特徴で体は黒色と白で覆われた毛色をしています。
性格は、好奇心旺盛で、成猫になっても元気に遊びまわり、家族に対してもフレンドリーな子が多いようです。
魚の鯖色が語源になっている、シルバーがかった光沢のある毛色です。
性格的には、気分のアップダウンが激しい傾向があります。
神経質で警戒心の時と、陽気で明るい時があり、どちらの性質が表に出ているかでまったく違う猫にみえます。人間でいうとAB型女性と形容されることもあるようです。
別名「べっこう」とも呼ばれるこの毛色の猫は、一般的にはサビ・サビ猫と呼ばれています。
黒を基調として、茶トラ模様が混ざり、茶色が散見される毛並みをし、目は黄色が多い猫です。
あまり知られていませんが、サビ猫は三毛猫と同じようにほとんどが雌猫です。
性格は賢く、フレンドリーな猫が多いと言われています。
サビ猫については、雑種猫好きの中でも、整った模様の猫と較べると独特で個性的な部分が強く好き嫌いがはっきりと別れる猫です。
今回ご紹介した雑種猫の8種のタイプは大きく2つに分けられます。
雑種猫(MIX猫)を飼いたいと考えた時、家にいるとき、いつも猫と一緒に過ごしたい方は、フレンドリーなタイプの猫が合っており、自由奔放な猫っぽさを求める方は、マイペースなタイプの猫を選んだ方が良いと言えます。
どういった性格の猫が好みなのかをはっきりイメージしておくと、迎え入れたあとの「こんなはずではなかった・・」といったアンマッチもなくなります。
ご紹介したように毛色によって性格に傾向がありますが、個体差も当然ありますので、迎い入れる際は、雑種猫(ミックス)の行動や性格をよく確認するとよいでしょう。
雑種猫の魅力についてここまで述べさせていただきましたが、実際に雑種猫を迎えるための方法について説明します。
まずは身近な知人・友人に保護した猫はいないか確認しましょう。熱心に野良猫の保護を行っている方でも、長期間・多数の猫を手元に置くことは難しく困っている人はいないか聞いてみるとよいでしょう。
知人であれば、物理的距離も近い可能性や、飼育などで困った場合なども質問しやすく、飼育後も安心です。
物理的距離が近いことはもちろんですが、もらい受けた後も健康相談などができるのが安心できる点です。
また、医療機関で保護されている場合は、保護期間中も間違いのないケアを受けているケースが多いといえます。
地域の保健所や動物愛護センターは定期的に譲渡会を開いている場合が多く、子猫だけではなく、さまざまなバックグラウンドを持った訳ありの猫たちがあつまります。成猫は飼育された経験を持つ個体も多く、譲渡が完了した場合は、一生を引き受ける覚悟と愛情が必要です。
譲渡会に関しては、里親条件があり、収入、移住環境、家族の同意など経済面、環境面で猫の飼育が可能か確認がはいり、NGの場合もあり得ます。
昨今では主流になりつつある譲渡方式で、雑種を問わず様々な猫が集まります。譲渡会に行かずに情報を確認できることがメリットですが、過去の治療費や予防接種以外で金銭を要求することが目的の悪質な譲渡者も稀におり、利用する場合は、慎重に検討することも大切です。
里親募集サイトなどではなく、直接保護団体から譲渡を受けることもできます。ただ民間の保護団体のばあい、譲渡要件はさまざまで、厳しいハードルを設けているケースも多く、さらに譲渡の際にそれまでの診療費や予防接種費用の支払いが必要なケースもあります。
あくまでもボランティアで動いているため、その運営資金は持ち出しや募金で賄われており、継続的に保護猫を受け入れるためには必要なお金と言えます。保護猫だけで構成される猫カフェなどもあり、実際に触れあい相性を確認できる施設もあります。
雑種猫は、飼育されている猫の8割を占める非常にポピュラーな存在です。一方で、被毛の色や性格も多種多様です。
ペットショップにいる純血種も魅力的ですが、猫と暮らすことをご検討であれば、まず雑種猫の魅力に触れてみることをお勧めします。
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