猫にとって春はストレスの季節 　ストレスが原因で発生する猫の病気や発情トラブル　予防や対策

春は暖かい日も寒い日もあり気温が安定しません。また、引っ越しなどで環境の変化も多い季節です。ねこちゃんは環境の変化には敏感なので、周囲で工事がはじまり騒音が多くなった、いつもと違う芳香剤を使用したなどちょっとした事でもねこちゃんのストレスになってしまう場合があります。
こういったストレスが原因でねこちゃんは病気になったり、トラブルを起こしやすくなったりします。

今回はストレスが原因で発生する病気やトラブルを紹介します。

目次

• 1.猫が春にストレスを抱えるのはなぜ？
• 1.ストレスが誘発しやすい病気
• 　1-1.膀胱炎・尿石症
• 　1-2.ノミ・ダニなど外部寄生虫による感染症
• 　1-3.猫かぜ
• 　1-3.心因性脱毛
• 2.ストレスが誘発しやすいトラブル
• 　2-1.異性を求め脱走
• 　2-2.マーキング(スプレー行為)
• 　2-3.異性を求め激しく声を上げる（騒音）
• 　2-3.人・他のペットへの攻撃
• 3.まとめ

ストレスが誘発しやすい病気

動物はストレスを感じると不安感から交感神経がはたらき体や心の緊張状態が続きます。緊張状態が続くことで免疫力が落ちたり、内蔵の働きが悪くなったりと、病気につながることがあります。ねこちゃんでとくに多いのは膀胱炎です。

膀胱炎・尿石症

ストレスが原因で発症する膀胱炎は突発性膀胱炎。症状は、頻繁にトイレに行くのにオシッコの量が少ない、血尿が出る、粗相をするなどになります。
ねこちゃんは泌尿器の疾患にかかりやすく、悪化すると腎炎や尿毒症を引き起こしてしまう可能性があります。一番注意してほしい病気です。

ノミ・ダニなど外部寄生虫による感染症

春はノミなどの外部寄生虫も活発になります。そのため、ノミに刺されたときの刺激でおこるノミ刺咬症や、ノミの唾液に反応してノミアレルギー性皮膚炎には注意しましょう。
また、ズーノーシスでる猫ひっかき病の原因となるバルトネラ菌はノミが媒介する病気になります。こういった事を防ぐためにノミなどの外部寄生虫の予防はしっかり行いましょう。

猫かぜ

猫かぜとは、具体的には猫ウイルス性鼻気管炎と猫カリシウイルス感染症を指します。ストレスを感じて免疫力が低下していると、また、これらのウイルスに一度でも感染した経験があると一度症状が治ってもウイルスが潜伏したままという場合があります。この状態のねこちゃんは免疫力が低下することによって症状が再発してしまうこともあります。
猫かぜの症状は鼻水やくしゃみなどの症状が見られます。

心因性脱毛

慢性的なストレスを感じると、ねこちゃんは気持ちを落ち着かせるために、体の一部をなめ続けることがあります。なめ続けた結果、体の一部が脱毛してしまいます。これを心因性脱毛と呼びます。無意味に同じ箇所を舐め続けることがないよう注意してあげてください。

ストレスが誘発しやすいトラブル

春はねこちゃんも発情期を迎えます、発情している雌のねこちゃんの鳴き声やフェロモンに影響されて雄のねこちゃんの発情が誘発されます。この鳴き声などに影響されて室内で暮らすねこちゃんも落ち着かなくなります。また、環境に変化があると、ストレスを感じやすくなります。このようなストレスが原因でトラブルになることがあります。

異性を求め脱走

春は、発情の季節ということもあり、ねこちゃんの脱走が他の季節と比較して高いです。暖かい季節になってきたので空気の入れ替えなどを行うことも多いかと思いますがふとした時に飼い主さんは注意しましょう。
脱走してしまうと行方不明になったり、交通事故にあったりすることもあります。他にも野良猫ちゃんと喧嘩してケガや妊娠、感染症にかかってしまうこともあります。
気を付けることが一番ですが万が一の際に迷子札などをつけておくことをお勧めします。

マーキング(スプレー行為)

ストレスを感じると、安心感を得るためにオシッコでニオイ付け（マーキング）をするようになるねこちゃんもいます。マーキング行為はおしりを上げて尾を立てた姿勢でスプレーのようにおしっこを噴射します。
ねこちゃんのオシッコは結構ニオイがありますので部屋の中の清掃なども大変です。新しい家具などはマーキングされやすい傾向にありますので注意が必要です。

異性を求め激しく声を上げる（騒音）

室内でも室外であっても、ヒートを起こすとマーキングや逃走以外にも、雄猫はけたたましく鳴く、メス猫は悩ましく鳴くなど猫好きであってもかなりのストレスです。致し方ないことではありますが、家族ではない周辺の隣人にとっては、騒音であり、大きなトラブルを招くこともあります。

マーキングや逃走はどちらかというと、家族内の問題ですが、騒音となると第三者への迷惑となります。

こうした自体になる前に、避妊手術・去勢手術をするかを決断する必要があります。仮に行わないと判断した場合は、居住環境の変更も含め検討しなければいけなくなります。

避妊手術・去勢手術については助成金のある市区町村もあります。
詳しくは「猫の避妊手術・去勢手術の金額－猫にかかるお金」をご参照ください。

人・他のペットへの攻撃

ねこちゃんがストレスで興奮しているときに、触ろうとすると、ねこちゃんは攻撃されたと勘違いして突発的に攻撃することがあります。また、隠れているの無理やり引っ張りだすことも避けましょう。驚きとストレスからいきなり引っ掻かれることもあります。
そのような時には無理にかまったりせず、放っておいてあげることも大切です。

まとめ（予防対策）

• 猫は犬と比べ、体調不良の兆しが分かりづらいので、環境の変化があった場合は、少しの猫の挙動の変化に敏感になり、動物病院へ相談できるようにしておきましょう。
• 発情はどの猫にもおきる生理現象ですが、生後半年前後までに、避妊手術・去勢手術をするか否か決断が必要になります。周囲に迷惑を掛ける前にきちんと考えましょう。

ねこちゃんは繊細なところがあり、環境の変化が苦手です。そのため、飼い主さんがあらかじめストレスの原因を理解して取り除いてあげることで、ストレスが原因で発生しやすいトラブルを避けることができます。
ねこちゃんの健康のためにも、理解と早めの対策がおススメです。特に泌尿器のトラブルには要注意です！いつもと違うなと思う事があったら早めに獣医さんに相談してみましょう。